「大企業に就職すれば、一生安泰」
「30代で年収500万円以上あれば、余裕のある生活が送れるはず」
…本当にそうでしょうか?
こんにちは、コムたろです。
かつて私は業界大手の老舗企業に約10年間勤務していました。
「大手なんて、羨ましい!」
そう思う人もいるかもしれません。
しかし、その実態は「この年収じゃ、やっていけない…」と焦りを感じる毎日でした。
この記事では、私が実際に受け取っていた、勤続10年目(30代)のリアルな給与明細と年収をすべて公開します。
さらに、実体験に基づいた、いわゆる「JTC(Japanese Traditional Company)」と呼ばれる日系大手企業の
- リアルな給与水準と生活レベル
- お金に関するメリット・デメリット
- 年収が高くても家計が火の車になるカラクリ
など、普段はなかなか聞けない内部事情を、包み隠さずお話しします。
この記事を読めば、
- 大企業のリアルな給与事情が分かり、自身のキャリアプランの参考になる。
- 「年収」という数字だけでは見えてこない、生活の実態が理解できる。
- 就職や転職を考える上で、企業を多角的に見る視点が身につく。
「自分の今の年収ってどうなんだろう?」と感じている方や、これから就職・転職を控えている方にとって、非常に価値のある情報になるはずです。ぜひ最後までご覧ください。
【基本情報】私が10年勤めたJTC(日系大手企業)とは?
まずは、私が勤務していた会社の基本情報からお伝えします。守秘義務があるので、特定されない範囲でのご紹介です。
- 企業:大手食品会社
- 規模:事業所は全国各地にあり、従業員は数千人程度
- 売上高:業界内ではトップクラス
- 実態:典型的なJTC(Japanese Traditional Company)
「JTC」という言葉を初めて聞く方もいるかもしれません。これは、古き良き(悪しき?)日本の伝統的な大企業を、少し皮肉を込めて表現する言葉です。
具体的には、以下のような特徴がありました。
- 年功序列:年齢と勤続年数で給料や役職がほぼ決まる。
- 非効率な慣習:意思決定が遅く、ハンコ文化や紙文化が根強い。
- ITリテラシーが低い:社内システムが古く、IT化に超及び腰。
- 上下関係が厳しい:体育会系のノリや、上司の言うことは絶対という風潮。
- 福利厚生だけは手厚い:家賃補助や退職金制度などは充実している。
まさに、絵に描いたような日本の大企業です。
(※現在は退職しており、この会社は過去に在籍していた会社となります)
【給与明細】入社10年目(30代)のリアルな月収を公開!

では、早速本題に入ります。
新卒で入社し、10年が経過した30代半ば。私が受け取っていた1ヶ月の給与明細がこちらです。
総支給額は、35.1万円でした。
一見すると、「そこそこ貰ってるじゃないか」と思われるかもしれません。しかし、重要なのはここからです。内訳と、最終的な「手取り額」を見ていきましょう。
給与明細の内訳
- 総支給額:351,000円
- 控除額合計:121,000円
- 差引支給額(手取り):230,000円
そう、手取り額は
23万円です。
さらに詳細を見ていくと…
- 基本給:290,000円
(入社時の約20万円から10年で9万円アップ) - 残業代:61,000円
(この月は26時間分の残業) - その他手当:特になし
控除額(天引きされる金額)は、健康保険、厚生年金、雇用保険、所得税、住民税といった一般的なものに加え、私の会社特有のものが一つありました。
- 社宅料:30,000円
これが、後々の生活を語る上で、非常に重要なポイントになります。
手取り23万円の衝撃と「隠れ家賃補助」のカラクリ
手取り23万円。この数字を、あなたはどう感じますか?
当時、3人家族(夫婦+子ども1人)の世帯主だった私にとって、この金額は衝撃的でした。
ここで重要なのが、先ほどの**「社宅料3万円」**です。
これは、会社が借り上げた物件に住むための費用で、給料から天引きされていました。つまり、手取り23万円は、すでに家賃を支払った後の金額ということです。
実質的には、家賃補助として会社が大部分を負担してくれていたわけです。それでも、生活は非常に厳しかったのです。
【生活の実態】手取り23万円(家賃払い済み)でも家計は毎月赤字だった
総務省の家計調査によると、3人家族の平均的な1ヶ月の生活費は、住居費を除いても約28万円だそうです。
私の手取りは、家賃支払い済みで23万円。
…お分かりいただけますでしょうか。毎月、5万円も足りていなかったのです。
当時は妻が専業主婦で、私が一家を支える「1馬力」の状態。毎月の家計は、赤字になるか、良くてトントンという、まさにギリギリの生活でした。
「大企業で10年も働いて、手取り23万円で赤字生活…?」
この現実に、私は言いようのない焦りと不安を感じていました。
【年収】ボーナス込みの年収は550万円!それでも余裕がない理由
「月々の給料は少なくても、ボーナスが多いのが大企業だろう?」
その通りです。私の年収を支えていたのは、間違いなくボーナスでした。
勤続10年目の年収は、
550万円です。
月収35万円から計算すると、少し高く感じますよね。その理由は、ボーナスにあります。
- ボーナス(夏・冬合計):約140万円
このボーナスのおかげで、なんとか年間の収支はギリギリプラスになる、という状況でした。まさにボーナスで赤字を補填する、自転車操業のような家計だったのです。
大企業あるある?頑張っても変わらないボーナス額
ちなみに、この140万円というボーナス額は、私の評価がごく「普通」だった場合です。
大企業(特にJTC)あるあるなのですが、個人の評価によってボーナス額にほとんど差がつきません。
- 高評価で優秀な同期:約160万円
- 評価が低い同僚:それでも約130万円
頑張っても、頑張らなくても、貰える額が大きく変わらない。これがJTCの現実です。
(ちなみに新卒1年目でも、年間100万円ほどのボーナスが支給されていました)
年収550万円でも「余裕はない」と断言できるワケ
転職支援dodaの情報によると、30代の平均年収は435万円。それと比較すれば、560万円という年収は恵まれている方かもしれません。
しかし、私個人の結論としては、
「東京郊外住まい・夫婦+子ども1人・住宅ローン月11万円」という条件下で、1馬力の年収550万円では、全く余裕はありませんでした。
子どもが生まれ、さらに住宅ローンという合わせ技が加わった瞬間、ボーナス込みの年間収支ですら、一気に赤字に転落しました。
この経験から、私は「子育て世帯は、共働き(2馬力)が必須だ」と痛感することになります。
ただ、実際は実は“2馬力”ではなく“別の方法”で家計を黒字に戻しました。
詳しくはこちらを覗いてみてください。
【体験者が語る】大企業(JTC)のメリット・デメリット(お金の面)

私の実体験を元に、JTCのお金に関するメリットとデメリットをまとめました。これは、良い・悪いの話ではなく、あなたがどんな社会人生活を送りたいかを考える上での判断材料にしてください。
メリット
- 頑張らなくても「それなり」の給料が保証される
入社して15年目くらいまでは、同期とほぼ横並びで昇給していきます。良くも悪くも安定しています。 - ボーナスが高水準
業績が安定している大企業ならでは。月々の給料の低さを補ってくれる存在です。 - 福利厚生が非常に手厚い
特に家賃補助は大きく、私の場合は実質的に月7万円ほどの補助を受けている計算でした。これは可処分所得を大きく押し上げます。 - 高額な退職金
私の会社では、定年まで勤め上げれば、退職金は余裕で2,000万円を超えました。老後の安心感は大きいです。
デメリット
- 頑張っても給料に「ほとんど」反映されない
成果を出しても出さなくても給料が変わらないため、優秀な人ほどやりがいを失い、辞めていく傾向にあります。 - 給料の上がり幅が小さい(勤続が前提)
定年までいることが前提の給与テーブルなので、毎年の昇給額はごく僅かです。若いうちは稼げません。 - ボーナス比率が高く、年収が不安定
ボーナスは会社の業績に左右されます。業績が悪化すれば、年収は簡単に100万円単位で吹き飛びます。 - (企業による)赤字になる単身赴任
全国転勤がある場合、単身赴任手当が出ても、二重生活の支出がそれを上回り、実質的な手取りが減るケースがありました。
【余談】給料を「時給換算」すると時間の大切さが見えてくる
最後に少し余談ですが、私が実践していた「時間単価」という考え方をご紹介します。
先ほどの給与明細で、残業代は6.1万円(26時間分)でした。
これを時給換算すると…
61,000円 ÷ 26時間 =
時給 約2,350円
私は今、1時間あたり2,350円で自分の時間を会社に売っているんだな、と計算していました。
この「時間単価」の考え方は、日常生活で役立ちます。
例えば、ダラダラと目的もなくテレビを1時間見てしまった時。
「やばい、2,350円分の時間を無駄にしてしまった…」
と考えると、時間を使うことにもっと慎重になれます。
お金や時間を節約したいと思っている方は、ぜひ一度、ご自身の時間単価を計算してみてはいかがでしょうか。行動が変わるきっかけになるかもしれません。
そして、自分の時給や年収を確認したら改めて考えてみてください。
今の年収はホントに適切な年収でしょうか?
これはあるあるですが、自分の年収が他社や他業界へ移るだけで跳ね上がるということは普通にあり得ます。”今のスキルや経験のまま“でもです。私は過去2度転職してそれを痛感しました。
全く同じような仕事でも“会社が違うだけで年収が数百万違う”なんてことはザラです。
もし
「今自分は本当に適切な年収がもらえているのだろうか…?」
と疑問に思った方は、一度 “自分の適正年収”を把握しておくことはオススメです。今の年収、実は凄く低いかもしれないですからね。タレントスクエアというサイトでは情報を入力するだけで、今のあなたの適正年収がわかります。無料でできるので、一度やっておいて損はないと思います。
参考までに私はこんな感じで出ました。

まとめ:年収という数字の裏側を知り、自分らしいキャリアを
今回は、JTC大企業に10年勤務した私の、リアルな給与明細と年収事情を公開しました。
- 勤続10年目の月収は総支給35.1万円、手取り23万円(家賃払い済み)。
- 年収はボーナス込みで550万円だったが、家族持ち・ローンありの生活は厳しかった。
- 大企業には「安定」や「手厚い福利厚生」というメリットがある一方、「頑張りが報われない」「若いうちは稼げない」というデメリットもある。
「大企業=安泰」というイメージは、もはや過去の幻想なのかもしれません。
重要なのは、年収という表面的な数字に惑わされることなく、その裏にある福利厚生や働きがい、そして自分の価値観に合った働き方を選択することです。
この記事が、あなたのキャリアプランやライフプランを考える上で、少しでも参考になれば幸いです。
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